闘病記(Y.U.様)

Y.U氏〔発症時=平成年22年9月、53歳、男性、会社員〕



 私は昨年平成22年9月にギラン・バレー症候群を発症しました。幸い症状は軽く12日間の入院治療と自宅療養1週間で仕事に復帰しました。
 私の場合は極めて軽症だったと思いますが、少しでも皆さんのお役に立てればと思い、発症と治療の経過、現在の状態をお伝えします。


1.発症と治療の経過(平成22年)

9/12(日) 夜半に発熱時の症状に似た間接のだるさ、痛さを腰から下に感じる。

9/13(月) 日中風邪薬を飲み少し楽になる。

9/14(火) 日中は13日と同様。夜に内臓の回りがだるく痛いようになりうまく眠れず。

9/15(水) 朝、お腹と腰のまわりの痺れが顕著になったため、近所のクリニックで診察を受ける。レントゲンにより脊椎が神経を圧迫していないことを確認し、「抹消神経障害の疑いあり」との診断でビタミンB群の薬を処方される。

9/16(木) 下半身の痺れが進行してうまく歩けない。早く歩けない上、駅の階段、ホームで急にふらつくようになる。眩暈でふらつくのとは明らかに違い、急に「すっ!と」力が抜けるような感じで、さすがに「これはやばい」と思いました。

9/17(金) 東京医科大学八王子医療センターの神経内科で診断を受ける。レントゲン、MRI、血液、尿検査を行い、「ギラン・バレーの疑いあり、確定診断はこれからだが治療を急いだ方が良い」と診断された。

9/18(土) 入院。低周波の神経伝達度検査、髄液検査を行い、神経伝達度検査で少し傾向がみられること、髄液検査で蛋白の増加がみられたため「ギラン・バレー症候群」と診断される。原因は8月前半にひいた風邪が引き金になったのだろうとのこと。
 治療は入院当日から以下の2つを開始。
 免疫グロブリン療法:血液製剤点滴 「静注用人免疫グロブリン製剤 献血ベニロン-Ⅰ静注用2500mgTEIJIN製)50ml」を毎日9本、5日間
 投薬:メチコバール錠500μg、ユベラNカプセル100mg

9/19(日)~21(火) 痺れは全身にまわり、またひどい便秘になる。症状の改善は感じられず。

9/22(水) 免疫グロブリン療法終了。このころから痺れが少し和らぐようになったが、痺れが治る時に似て、手先足先が敏感になり、少しでも何かにぶつかるとびっくりするほど痛く感じるようになった。これは口中も同様で固いものを齧ると歯茎がとても痛かった。

9/23(木) ~経過観察

9/24(金) MRI検査

9/27(月) 神経伝達度検査

9/28(火) 髄液検査

9/29(水) 上記検査の結果、状態が好転していることを確認し翌日退院を決定。症状はかなり良くなり、痺れや神経の敏感さんはほとんどなくなる。

9/30(木) 退院

 その後1週間自宅で療養。その後職場に復帰。

 入院前の数日はインターネットで調べ、ギラン・バレー症候群の症状に似ていることを知り、同時に治療法、治療できる病院を調べました。

 また、治療に際しステロイド療法の併用を薦められたが、インターネット情報で効果への疑問視と症状悪化の情報が記載されていたため、正直に事情を説明し断りました。


2.現在の状態

 発症から9か月がたちました。退院後1か月間くらいは早く歩くことができませんでしたが、それも少しずつ回復しました。
 現在は仕事、プライベートとも普通に生活をしています。平日は朝晩普通に電車、バスで通勤し、以前と同じように仕事をしています。
 物をもったり字を書いたりすることにも全く支障はありませんし、腕立て伏せ、スクワットも普通にできます。私はギターを弾くのですが、これも以前と同様です。ただ以前と比べると疲れやすく、そして抜けにくくなったように思います(歳のせいかもしれません^^;)。

 疲れがたまると、手足の表面が少ししびれた様な感じになり、筋肉の表面に微かな痛みを感じる時があります。このような時は早く歩くことはできにくくなります。ただ明らかに発症した時とは程度が違います。また便秘がちにもなるので、なるべく疲れがたまらない様に注意して生活しています。
 現在は投薬含め治療は一切していません。退院から5か月程ビタミンB群の薬を飲み続けましたが、担当の先生からは「この病気はもうおしまいということで」と言われ、その後は通院もしておりません。


3.所感

 事前にインターネットで調べておいたので、病気の知識とともに高額の免疫治療も納得して進めることができました。おかしいと思ったら早めに専門のお医者さんに診てもらうことが大切だとつくづく感じました。
 また、お世話になった東京医科大学八王子医療センターは医師、看護師の方の対応がとても良かったです。
(平成23年6月記)


この闘病記は、「ギラン・バレー症候群のひろば」の管理人であった田丸務様を通し、Y.U.様ご本人に転載のご意向を確認した上で、掲載しております。